プリントのヒント
写真を印刷するということ。
伊勢和紙は写真専用紙ではありませんが、写真印刷にお使いくださる方が多いので、ここでは
- デジタル一眼カメラで撮影する
- フォトショップ CS (CC) シリーズで画像処理をする
- インクジェットプリンタで印刷する
ということを前提に記述してみます。
フィルム撮影の人も、スキャンをした後は同じ流れになります。
「伊勢和紙Photo」「伊勢和紙Art」「伊勢和紙Light」「手すき伊勢和紙」
へのプリントについて
インクジェットプリンタでの使用を想定しています。
用紙設定は「アート紙」「マット紙」「普通紙」などをお選びください。
印字品質は、できるだけ高画質になるよう「速度優先」よりも「品質優先」を選んでください。
高精細に印刷するモードの方がインクが正確な位置に飛びます。
速いモードではインクの飛び方が不正確になって、滲んでいるわけではないのに滲んで見えるという場合があります。
いっぱんに「普通紙」はインクの吐出量を抑えて滲みが出にくい設定ですが、インクの乗りが薄いので深い色は出にくく、あっさり仕上げとなります。
「マット紙」や「光沢紙」などはたっぷりインクを出す設定なので濃度は上がりますが、インクの滲みも大きくなる場合があります。用紙設定により黒インクの出方が異なる機種があります。
「フォトブラックインク」と「マットブラックインク」を切り替えて使用する機種は、それぞれの黒インクで出力の印象が変わります。
プリントする画像にどんな表現がマッチするか、テストをして比較して決定してください。
伊勢和紙Photoは厚みがありますので「厚紙設定」でお使いください。
(和紙の場合は、ある程度の表面の毛羽立ちが避けられませんので、薄手であっても「厚紙設定」で印刷する方が不用意なインクの付着を防げる場合があります。)
伊勢和紙Photoシリーズの発色
インクジェットプリンタ対応の伊勢和紙は、和紙本来の手触り・暖かみを損なわないように、発色を調整するための表面塗布は行っていません。
したがって、メーカーの純正紙と比較してインクの濃度が上がりにくくなっています。
発色については、パソコンの画面で画像のコントラストを上げてやるとか、プリンタ側のドライバで濃度を補正するなど、お望みの色調に調整することができると思います。
お使いになる環境により適宜設定を工夫して、ご自分の発色を引き出してください。
伊勢和紙用のICCプリンタプロファイル
実際に入手したプリンタについてのみ ICCプロファイルを作成していますので、個別に対応しきれない点はご容赦ください。
Adobe Photoshop など、カラーマネジメントに対応したアプリケーションを使って、印刷時にアプリケーション側で上記のプリンタプロファイルを指定し、プリンタ側は色補正なしを選択することにより、画像データ本来の発色を伊勢和紙上に再現できるようになります。
印刷環境の湿度の影響について
天然の繊維のみを使用している和紙ですから、保管中や使用時の湿度の影響を免れることはできません。
湿度が高いときは紙の腰が弱くなり、表面強度も下がります。
プリンタというハードウェアの中に紙を通すとき、紙送りのローラーなどの影響により、物理的なトラブルが発生することがあります。
湿度が高いときは、除湿をしながらプリント作業を行っていただくようお奨めします。
紙送りが思わしくないときには
多くのプリンタでは、背面のオートシートフィーダから給紙するとき、小さなゴムローラの粘着力で紙送りをします。
繰り返し給紙する場合に、和紙の表面の微細な繊維がゴムローラの表面に付着してゴムローラの粘着力が低下し、紙送りをしなくなることがあります。
このような場合には、濡れティッシュや湿らせたガーゼでゴムローラの表面を拭きとってください。
ゴムローラを十分に乾燥させてから給紙を行うと、再び問題なく給紙ができるようになります。
(ゴムローラを支える部品は精密にできていますから、慎重に作業してください。)
EPSON プリンタの場合は「PX/PM用クリーニングシート L判:3枚入 型番:KL3CLS」をご利用ください。
伊勢和紙の種類と描写特性
各種伊勢和紙について、色目と描写特性をグラフ化しました。